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東京駅周辺大規模再開発を不動産投資に生かすには

「東京駅」は日本を代表するターミナル駅です。開業は1914年(大正3年)。以来、東京の街と共に発展してきました。1日の平均乗降者数では、世界一のギネス記録(359万人。2018年)を誇る新宿駅に劣りますが、JR東京駅は1日平均約27万人(2020年)、東京メトロ丸の内線・東京駅は約12万5000人(2020年)の乗客が利用。「東海道・山陽新幹線」「東北・北海道新幹線」をはじめ、「東海道本線(上野東京ライン)」「中央線快速」「山手線」など、数多くの在来線が乗り入れ、首都・東京と地方を結ぶ日本の玄関口として機能しています。

この東京駅周辺において、現在「再開発」が活発に行われています。1980年末に始まった「大手町・丸の内・有楽町」の再開発を皮切りに、東京駅周辺の他エリアでも、次々と大規模な計画が進行しています。

目次

たくさんの再開発プロジェクトが進行中

1988年(昭和63年)、日本有数の不動産ディベロッパーである三菱地所が「丸の内再開発計画」を発表。同年「大手町・丸の内・有楽町再開発計画推進協議会」が設立され、東京駅周辺の再開発が始まります。1995年(平成7年)には「丸ノ内ビルヂング」の建替えが発表され、続く1996年(平成8年)、「協議会」にJR東日本、東京都と千代田区が加わって、「大手町・丸の内・有楽町まちづくり懇談会」が発足しました。

2000年(平成12年)には、東京駅の「丸の内駅舎」を創建当初のように復原する計画が持ち上がります。復元工事は2007年(平成19年)に起工。2012年(平成24年)に新しい東京駅が完成します。平成25年(2013年)、2020年の五輪・パラリンピックが東京に決まったことも再開発に拍車をかけ、「八重洲・日本橋・京橋」ほか、東京駅周辺において多種多様な計画が持ち上がり、現在、多くの工事が行われています。

近いところでは、オフィスを中心とした超高層ビル(地上45階地下4階。高さ240m)の「東京ミッドタウン八重洲」が2022年(令和4年)8月に竣工予定。2027年には、高さ390m のタワーと7,000 ㎡ の広場を有する、東京の新たなシンボル「東京駅前常盤橋プロジェクト」が完成する予定です。

不動産投資でも注目される「東京駅再開発エリア」

再開発地区は、不動産投資においても注目すべき対象です。再開発を行うことは、建物や道路の老朽化、住宅の不足、インフラの不備などが解消され、より安全かつ安心な街作りにつながります。それに伴い、交通アクセスの整備・改善、商業施設の充実など生活環境の向上が期待でき、住みやすさもアップ。エリア内に公園や遊歩道などが計画されることも多いため、ここに住居を求める人の増加も考えられます。このような背景から、再開発地区の不動産価格、資産価値の向上が見込まれ、地価や家賃の上昇も期待できます。

不動産投資で再開発地区を狙うのであれば、土地や建物(家屋)、周辺環境にかんする情報の収集が必要です。たとえば「地価」は、不動産投資に影響する大事なファクター。基本になるのは「公示地価(公示価格ともいう)」で、これは適正な地価の形成に寄与するため、国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点の土地評価(全国26,000地点で実施)を3月中旬頃に公表するものです。

ちなみに2021年(令和3年)1月1日における東京圏の沿線別駅周辺商業地の公示価格例(国土交通省)によると、東京駅周辺の価格は1㎡あたり約3720万円です。

東京駅周辺の再開発地域は今後の発展が期待できるため、不動産投資を考えているなら、地価が決まる前に決定するのがおすすめだといえそうです。

国土交通省 地価公示

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html

国土交通省 2020年(令和2年)東京圏の沿線別駅周辺商業地の公示価格例

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001391194.pdf

東京駅周辺の再開発で期待される、アフターコロナのインバウンド観光復活

新型コロナウイルス感染症(以後、新型コロナ)により、世界経済は大きな打撃を受けました。日本も例外ではなく、特に観光業界には、大きな影響を与えています。平成25年(2013年)、東京が2020年の五輪・パラリンピック開催地に決定したのが追い風になり、インバウンド観光客(訪日客)は同年から7年連続で最高を更新。2019年(平成31年・令和元年)には約3200万人を記録しました。

日本政府は、「東京五輪・パラリンピック」開催年となる2020年(令和2年)の訪日観光客数を4000万人に設定。加えて2030年までに6000万人へ増やす目標を掲げます。ところが新型コロナの感染拡大に伴い、五輪は翌年(2021年(令和3年)に延期。2020年の訪日外客数は約412万人で、目標の1割にとどまりました。さらに追い打ちをかけるように、東京都に緊急事態宣言が発出され、五輪は無観客開催となります。その結果、2021年の訪日外客数は約25万人と大幅に減少しました。年末には新たなオミクロン株による感染が拡がり、2022年(令和4年)に入ると「第6波」が到来。観光業界はもちろん、日本経済にとって先行きが見えない状況が続いています。

ただし、新型コロナ対策が進み、収束に向かった先の「アフターコロナ」において、東京駅周辺の再開発が担う役割は大きくなりそうです。海外からの観光客が戻ってくれば、日本の陸の玄関口である東京駅は賑わいます。また、すでに完成、新たに建てられる複合商業施設やホテルなどの利用も大いに期待できるでしょう。

新型コロナ感染の終息までには、まだ時間はかかるかもしれません。それでも規制が解除されたとき、再開発はインバウンド観光のさらなる発展へとつながるといえます。